公正証書とは
公正証書とは公証人という法律の専門家である公務員が法律に従って作成する公文書のことである。
公正証書の特徴は高い証拠力があることである。
通常、民事裁判を行うにあたって自身に有利な権利の発生を主張する者は、その主張を根拠付ける為の証拠を出さなければならない。
金銭の賃借の証拠として借用書を証拠とする場合、私文書だと偽造が可能であり、証拠として信頼性に欠ける可能性がある。しかし、公正証書は公証役場で作成する公文書であり、原本が保管されているので偽造することができないため、証拠力が高い。
もう一つの特徴は執行力があることである。金銭の債務の支払を怠ると、通常なら裁判を起こし、判決を得なければ強制執行はできないが、公正証書を作成することで裁判所の判決を得ずに相手の不動産や給料の差押などの執行手続を行うことができる。これらのような特徴があるため、違法や無効な法律行為の内容の公正証書は作成することはできない。
公正証書の作成には契約者間での合意が必要になる。合意を得られなければ書面にできないので、話し合いが可能な段階で作成する必要がある。また、公正証書遺言以外なら、代理人による嘱託が可能であり、委任状等があれば誰でも代理人になることができる。
作成する際に本人が公証役場に出向く場合は、本人の印鑑証明書と実印、代理人による嘱託の場合は、本人の印鑑証明書、委任状、代理人の印鑑証明書、代理人の実印が必要になる。また、作成にあたって強制執行認諾約款という条項をつけることができる。この条項を付けることによって相手は契約不履行の場合に強制執行をされても意義がないものとすることができる。
公証役場では公正証書作成以外にも確定日付の付与ができる。確定日付とは、「その日に確かにその文書が存在していた」ということを証明するものである。確定日付の付与は私文書に限られ、その文書の内容について公証するものではない。
しかし、契約の日付を実際の作製日とは異なる日付に改ざんし、一方の当事者に有利になる場合などがあるので、文書を作成した日付が重要になる場合は少なくないので確定日付が必要になる。ただし、付与される日付は文書に記載された日付ではなく、請求した日付になるので文書を作成した当日に確定日付を付与することが望ましい。
公正証書は公証役場で!!
日本公証人連合会↓HP↓
http://www.koshonin.gr.jp/index2.html
最寄の公証役場で公正証書の予約をして、当事者同士で行くのが基本です。
公正証書を作ってみる(借用書)
1、当事者同士で予約して公証役場に行く。
2、公証人の指示に従って、借用書などを提出する。
3、注意事項や条文の意味の説明を受ける。
4、手数料を支払う。
5、公正証書を各当事者で保管する。
<持参するもの>
・実印
・印鑑登録証明書
・運転免許証(身分証明書、写真入の官公庁が発行したものがベター)
<持参するものについての注意>
事前に公証役場に問い合わせて、どのような書類を作りたいか、持参するものを聞きましょう。
トラブルが起きる前の方が格安
例えば、「お金の貸し借り」。相手が返さなくなって訴訟などを行うより、事前に公正証書を作っておいて、すぐに差押をした方がトラブルにかかる費用は圧倒的に公正証書の方が安上がりです。