商取引に潜む詐欺
コピーやFAXなど複合プリンターの卸問屋をやっている千駄木屋の松川社長は、東京ビッグサイトの展示会オフィスエキスポで、PCプライスの本崎部長に声をかけられた。なんでもPCプライスはコンピューターの周辺機器を楽天ショップで手広く販売していて、今後プリンターも販売したいので、仕入先を探していると言う。
本崎「千駄木屋さんは歴史も古くて安心感がありますので、月2~3台程度だと思うんですが仕入れさせてもらえないでしょうか。もちろん現金取引で構わないです。」
優良顧客だと思った松川社長は、早速取引を開始して、2台の複合機を納品した。松川が楽天ショップをのぞいていると、定期的に品切れになりそのたびに注文が入ったので、順調に売れているようだった。その後も、PCプライスからは月に2~3台のペースで複合機の注文が届いていたが、半年後に本崎から松川社長に直接電話が入った。
本崎「おかげさまで、楽天ショップで順調に売れています。そのおかげか、つい最近大口の依頼がありまして、ある不動産仲介の会社が、ここ3,4ヶ月の間に都内に支店を数店出展するらしく、複合機12台の注文を頂いたんです。ただ、12台ともなると弊社も資金繰りの面で厳しいので、これは手形決済でお願いできませんか?」
松川社長は、それまでの信用もあったので、大した疑問も感じず手形決済に了解して、12台の複合機を納品した。おかしいなと思ったのは、翌月はPCプライスから1つの注文も入らなかった時だ。楽天ショップを見てみると、HPはあるが、先月見た感じと全く同じで更新されていないようだった。すぐにPCショップに電話をするがつながらず、会社の住所に行ってみると、人だかりがあって、そこに張られている張り紙には「株式会社PCショップは200X年X月X日をもちまして、自己破産の申立てを行い倒産いたしました。ひとかたならぬご高配を賜りながら、このような結果を迎えてしまったことを心より深くお詫び申し上げます。」と書いてあった。他の債権者が、「うちは300万やられた。」「うちは500万だ。」と言う中、松川社長は約1000万円分の手形が不渡りになることを想像すると、頭を抱えたのであった
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